夏の庭の書評
初めての書評で拙い文章ですが頑張ります。
[夏の庭]の内容。
この物語は小学6年生、仲良し3人組の夏休みの間の物語だ。
名前は木山、河辺、山下。
近所にもうすぐ死んでしまうだろうと噂されているおじいさんが住んでいる。
そんな噂を聞いた3人組は、おじいさんを死ぬまで監視してやろう思い立つ。
3人組は塀越しに監視したり、おじいさんの買い物や、日常をずっと尾行していた。
ある日、3人組は当たり前の様に塀越しにおじいさんを監視していると、なんと、おじいさんは3人組の存在に気づいてしまう。
しかし、お互い関わりあう様になり、おじいさんと3人組は次第に仲が良くなっていき、3人組はおじいさんを慕うようになる。
場面が変わり、3人組は所属しているサッカーチームの合宿に行くことになる。そこで木山はチームのメンバーの一人と人生で初めての喧嘩をしてしまう。しかもつかみ合いの喧嘩だ。河辺も参加した。
そして、合宿から帰り、いつも通りおじいさんの家に行くと、おじいさんは静かに息を引き取っていた。
夏の庭を読んだ感想
私がこれを読んで強くメタファを感じた部分がある。
まず、合宿から帰るとおじいさんが死んでいることが分かったので、おじいさんが死んだのは合宿に行っている間だと推測できる。
そして、3人組がサッカーの合宿に行っている場面。
この時合宿で木山たちが喧嘩している場面があった。人生で初めての喧嘩だ。
生まれてまだ12年ほどしか経ってない子供が初めて人を傷つける行為を行う。
この場面から分かるのは、"初めて" の体験。つまり "成長" だ。
そして、おじいさんはこれまで戦争や、妻との別れ、花火職人だったなど、おじいさんの半生が分かる場面が多々登場する。もう死ぬだろう噂されていたので相当な年齢ということも分かる。
つまりおじいさんに成長はない。
これから人生を歩んで行く3人組に対して、おじいさんは歩みを終えている。
生と死を対照的に描くことで3人組の成長をより強く感じることができた。
そして最後のシーンは最強にエモいです。ぜひ読んでみてください。
夏の庭20刷改版 The friends (新潮文庫) [ 湯本香樹実 ]
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